1970年代には,反復的な速いストレッチは関節包の癒着をはがし患者を傷つけ、筋の反射活動を誘発しリラクセーションを得られないため、持続伸張手技が主流になってきた (Cyriax1977; Guissard1988)。 

1950年代にPNF手技の1つとして、痛みを誘発しないで他動関節可動域または自動関節可動域を改善できるホールド・リラックスの手技を確立した。 

 ホールド・リラックスとは、PNFパターン (対角線上のらせん運動) を用い,リラクセーションさせたい筋 ( 拮抗筋) を痛みのない位置まで伸張させ、より伸張させたい筋 ( 拮抗筋) をセラピストの抵抗に抗して23秒間ほどその肢位を保持するよう指示しする。

 静止性収縮を行わせたあと弛緩させ、その後、目的とした主動筋の自動関節可動域を増大させる手技である (Voss ら。 1985)

 

ホールド・リラックスの優位性

Tanigawa (1972) は持続伸張手技の効果とホールド・リラックスの効果を健常者で比較し、ホールド・リラックスの優位性を初めて実証した。     

ハムストリングスの伸張度を,背臥位での他動的下肢伸展挙上角度 (SLR) を指標とし,ホールド・リラックスの方が即時に有意に他動関節可動域が増加することを報告したのである。

 ホールド・リラックスの方法

 ハムストリングスのリラクセーションを得るには、背臥位でハムストリングス(拮抗筋) を最大に伸張し、PNF運動パターンを用いて23秒間,最大静止性収縮をさせ、そのあと弛緩させる。次に自動運動で、さらに膝関節伸展位での股関節屈曲(SLR) を行い(主動筋は腸腰筋と大腿直筋)、SLRの可動域を増大させる。これを23回繰り返すが、基本的にはPNF運動パターンの中で使用される。

 

 Home